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来自歌颂之丘
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◇第9回目!謳う丘のヒュムノスの想いを解説!◇

ども、土屋です。
来週からは12月…ということで、いよいよ慌ただしい感じになってきますね。
さて、前回「謳う丘のヒュムノスの想いを解説して欲しい?」という投票を行いまして、沢山の票を頂きました。
そこで、私の方で発売元のavex様に相談させていただきまして、ヒュムノス歌詞の掲載許可を頂きました。改めてこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

さて、今回は本文が異常に長くなっていますので、前置きはこれくらいにして解説に入りたいと思います。


■EXEC_HARVESTASYA/.ヒュムノス解説


Rrha ki ra tie yor ini en nha.
Wee ki ra parge yor ar ciel.
Was yea ra chs mea yor en fwal.
Ma ki ga ks maya yor syec.
ここへおいで 全てを脱して
私はあなたの全部を受け入れるから
怖がらないで、その身を委ねて


※解説
原曲の「Harmonics EOLIA」にも同じ文がありました。
これはいわば、我々の世界(現実)から貴方を、ハーヴェスターシャの世界へと誘うイニシエーションです。召喚の魔法だと思って頂ければ違いありません。


[4]dera deri da,kyuase,dera deri da,kyuase,dera deri da,kyuase,Ma num ra 0x vvi.
[2]ya- hahaha ha syera, ya- hahaha ha syera, Ma num ra 0x vvi.
[1]ri ru ra don turu ru ra ri- 4. 3. 2. 1. Ma num ra 0x vvi.

※解説
いきなり大変入り組んだハモが入ってきます。簡単な方から解説しますと「Manum ra 0x vvi.」という部分、これは「これから始まる想音無しのヒュムノス文は全て「Ma num ra」を付けていると解釈してくださいね」という定義構文です。実は上記ヒュムノスは、解りやすくするために幾つかのパートをまとめて記述していますが、実際に謳う際には6つのパートに別れています。
意味的には上記3種類です。
3つとも「精神構造(ゲームをプレイした方はコスモスフィアといえば解りやすいでしょう)」を階層化して表現したもので、上から順に「本性世界」「記憶世界」「顕在意識」です。では、それらを使って何をしているのでしょうか。答えから言えば「精神体再構築」です。
1つ前のブロック「Rrha ki ra tie yor…」のブロックが「召喚」した貴方を、物語の世界で「再構築」しているのです。SF的な表現をするなら、テレポートを行うときに出口側で「物質化」を行う処理、といえば少しは解りやすいでしょうか。ただ、この物語を楽しむには、貴方の精神体だけを再構築すれば十分で、物理体は必要有りません。その為精神体のみしか処理していません。一度分解して召喚した貴方の精神体を、深層から表層まで幾つものプロセスを踏んで、ハーヴェスターシャの世界で再構築している、という感じです。


Linen yor akata ar ciel,hymme xest powel.
En titilia forlinden,grave sik yeeel.
それはとある別の世界、詩が力になる魔法の国
その離れた山里の、小さな村での物語


Der foul en cyuie selena la harton der diasee
Harvestasya, en forlindel Myu.Gran sos ee HYMME.
そこに住まう巫子ハーヴェスターシャと、村長の息子ミュウの
強すぎる絆がもたらした不思議で悲しい出来事…


※解説
ここまではいわゆる冒頭部分、「世界観解説」です。
昔話で言うところの「むかしむかし、あるところに…」という前置きですね。音楽との融合として考えていたのは、脳内映像としてAメロに入る直前にタイトルロゴが出て、Aメロ(天詩を~の部分)から物語が始まる、という感じでした。要するにTVドラマやアニメで言えば、ここまでがOP曲です。


murfanare was i ga na yehah mea yor, hierle yor cenjue.
li na lir sol ciel, faula na fwal.
(ハーヴェスターシャの)想いは…
私と貴方との関係に幸せに感じない、貴方の変化が悲しい
それこそ光のない世界、翼のない小鳥


heighte mea en yor hymmne crushue crudea art,
na faja! kierre enerel! enclone mea !
私は苦しみを紡ぐことで、詩が私たちを傷つける
先へ進みたくない、このままでいたい、ずっと私を包み込んで!



Linen yor akata ar ciel,hymme xest powel.
En titilia forlinden,grave sik yeeel.
それはとある別の世界、詩が力になる魔法の国
その離れた山里の、小さな村での物語


Was yant ga swant en guard yor,
tasyue tes yor omnis.
ミュウ、待ってて!必ず助けるから…

※解説
この部分が、今回のヒュムノスで試験的に行った試みの1つ目です。
同じタイミングで歌われる日本語詞と比較してみると面白いかと思います。日本語詞では「目に見える事象」を描いているため、表面上上手くいっているミュウとハーヴェスターシャが描かれています。だから、日本語だけ読んでいても「ふーん」程度でしかないわけです。
ところが、ハーヴェスターシャの心情を描いているヒュムノス語部分を暴いてみれば…このように、大変な葛藤が起きているというわけです。
物語の表と裏を両側から見る、という作品を一度やってみたいと思っていました。特に「想い」がその根幹となるヒュムノスでは、最も向いている表現方法かもしれません。


[1]世界(物理的な大地などの背景表現)
Hymme ieeya ar ciel, selena waats murfanare, ...
(希望の大地は謳う 大切な想いも謳う)

[2]希望(主人公の希望的心情)
Hymme rol faura, firle fhyu ieeya nepo kapa, keen sheak lusye, yasra walasye.
小鳥のように謳おう 希望の風を感じよう 潤う水、光輝く太陽、暖かい人々

[4]絶望(主人公の絶望的心情)
Hymme lamenza cyuie gauzewiga polon mea, sphilar tie cupla hierle ryusse.
嘆き悲しみ謳い、孤独に絶望せよ 罪に縛られた心 悲しみの旅

※解説
ハーヴェスターシャが「謳う丘」を探して世界を旅するシーンです。
あえて日本語詞を入れていないのは、その世界情景を「理解する」のではなく「感じて」欲しかったからです。
冒険には希望と不安がつきまといます。希望がなければ冒険しませんし、不安がない冒険は冒険とは言いません。その2つの感情は互いに絡み合い、時にどちらかが優勢になり、そして劣勢になり…絶妙なバランスを持って人のこころを支配します。バランスを崩してどちらかに傾倒すれば、良い結果にはならない…ということは、皆さんも体験的に知っていることだと思います。
音楽的には、まずベースとなる「世界(1)」を構築し、その上で複雑に絡み合う「希望(2)」と「絶望(4)」を表現しています。
「世界」は、いつだって微動だにせず、ただそこに存在し続けます。この楽曲の世界も、それを表現すべく、非常に短くシンプルな音階を何度も何度も繰り返すのみです。
逆に「希望」と「絶望」は、一度たりとも同じ旋律を繰り返しません。更には右へ行ったり左へ行ったり、お互いに牽制し合ったり、どちらかが良く聞こえるときはどちらかは殆ど聞こえず…という風に、大変流動的です。これは、人間の揺れ動く心を表現しています。
人はいつだって、毎日こうやって葛藤を奏でながら生きているのだと思います。


Xa Zatyy wn itt sss
神よ我を護りたまへ

※解説
古い「月奏」の祈りの言葉です。
まだ「ヒュムノス語」が確立する前は、言葉にもならない、意味もない、でも「この発音をする事で大きな力が得られる」という事だけは解っている…という発音が沢山ありました。この一文はまさにそれで、ここから幾つもの確立した単語(クルトシエール律)が生まれています。


[1]自分(ハーヴェスターシャ)
Zahha rana iem hymme divie ga grandus, lequera gott getrra spiritum,
進め!走れ!聖なる剣を奏で、善きものを護り、汚れた魂を打ち砕け!

Zahha rana iem hymme divie ga grandus, lequera ridalnae, yehah got!
進め!走れ!聖なる剣を奏で、善きものを護り、かけがえのない幸せを掴め!


[3]
Zahha guwo quesa yehar gauzewiga, yaha vit hierle walasye beja ar ciel,
進め!怒りで大地を揺らし、絶望を解き放て!
悲しみに震えろ!笑ってやる!汚せ汚せ!

Zahha guwo quesa yehar gauzewiga, yaha sa yor en tie unloee jenhah got!
進め!怒りで大地を揺らし、絶望を解き放て!
お前のカルマをあざ笑ってやる、そして捕まえてひれ伏させ不幸を押し込むのだ!

※解説
冒険していれば戦闘の一つもあるでしょう。ということで、戦闘シーンです。戦闘、というと怪物と戦うイメージがありますが、現代社会にも戦闘は沢山あります。この部分をもっと広い意味で言えば「正念場」です。ハーヴェスターシャも冒険する間に様々な試練が有るはずです。何度も挫折しそうになったり、力尽きかけたりするわけです。それが「試練」です。誰もが経験あるように、「試練」の時には心の中が荒れ狂います。その表現として捉えても間違い有りません。もちろん、未知の世界を旅するわけですから、本当に生と死を賭けた戦いを想像していただいても正解です。
とにかく、ヒュムノスは心情表現ですから、ここで表現しているのは「わ…まずいかも…私負けちゃうかな…ここで終わりなのかな…」という気持ちと「ううん、そんなことない!私はまだ頑張れる…だって、私にはやらなければいけないことがあるんだもん!」という気持ちそのものなのです。


Was yea ra yassa ridalnae lof,
yorr harton sos mea grandus enerel mea.
やっとたどり着いたよ、ミュウ
貴方が私をずっと支えてくれていたから、私はここまで頑張れた

Myu.. Was yea ra hartes yor firle syec syec mea.
sos faf cause yor der ridalnae murfan.
ねえ、ミュウ、やっぱり私はあなたのことを愛しています
それは貴方にとって迷惑なことかもしれない、でも


Was ki ra hartes yor yanyaue yanyaue,
van govaz tes yor, van na pitod enerel,
例え貴方に許嫁がいたとしても、貴方と一生一緒になることが叶わぬとしても
私が貴方を愛しているという事実に決してかわりはない


van na hartes yorr mea,
forgandal, parith en clyncye hymme syec mea boh murfanare!!
あなたがどうであれ、私は貴方を愛し続けます
だって、それが私の一番素直な気持ち、純粋な想いだから!


※解説
ハーヴェスターシャの正直な気持ちを綴っています。
彼女は、ここまで来て初めて、自分自身を突き動かす「心の中の大きな理由」を自分自身が知ることになります。それは、誰に教えてもらうでもない、自分で気づくことなのです。日常生活でも迷いはありますよね。そんなとき、良くこう思うはずです。「何で私はこんな事してるんだろう」「何のためにこんな事で悩んでるんだろう」…と。ハーヴェスターシャはまさに、ずっとそんな悩みを抱えながら謳う丘まで旅をしてきたのかも知れません。でも、案外その根幹「己を突き動かすもの」などというものは、単純で純粋なものなのです。
人は、それに気づくと強くなります。迷いが無くなります。今行っている自分の行動が、自信に満ちあふれたものになります。ここで彼女は、それを勝ち得たのです。


Was yea ra melenas , en yanje yanje.. eterne pitod yor...
『好きです、貴方が…。ずっとずっと側にいたい』

※解説
心理学的にも「手放す」ということと「受け入れる」という事が、自分の心のしこりを取るのにとても大切だと言われています。この呪文の一文は、ハーヴェスターシャが今までずっと言いたくて言いたくて、でも世間体や常識、観念、そして満ち足りていない自己が無意識に言わせなかった言葉です。
それは「彼には許嫁がいるんだから…」や「身分が違うし…」といった様々な「逃げるための理由」によって閉じこめられていただけで、それらは心の中の本心とは裏腹なものでした。何故言えなかったのか…?一言で言えば「自分がミュウを好きだ、という事を受け入れることが怖かった」のです。「ああ、私は本当に、こんなにまでもミュウのことを愛しているんだ」と受け入れてしまう事は、それと同時に社会的、世間的な枷からも逃げられなくなる、巨大な障害(現実)と正面衝突する事になる…という事なのですから。だから彼女は、ミュウが大好きな自分を決して受け入れなかった、自分で自分に嘘をつき続けていたのです。「私、別にミュウなんて(異性として)好きじゃないもん、タダの友達よ」と思っていれば、許嫁がいることも、身分の違いも、自分とは関係ない事…として回避し続けられるのです。
これって、私たちの日常でも、誰もが常に普通にやっていることです。それが一体どれだけのストレスを生み、どれだけの破綻を引き起こしていることか…。もちろん、何でもかんでも正直に言い続ければいいってものでもありません。ただ、溜まりに溜まって大爆発を起こし、取り返しの付かないことになってしまうことは(特に恋愛では)良くあることですし、そうなる前に「そんな状態の自分がいる」事を受け入れて、誰かに打ち明けたり相談したりすることも、時には大切なのだと思います。
この一文に込められた想いは、そんな感じの事でした。


Linen yor akata ar ciel,hymme xest powel.
En titilia forlinden,grave sik yeeel.
それはとある別の世界、詩が力になる魔法の国
その離れた山里の、小さな村での物語


Wee ki ga linen rre nosaash mea,
watt heighte hes innna gyas,
En pilt sa ugi hymme parith ridalnae yor.
女神は、彼女の心の闇が彼を蝕んでいると伝えた
私はその事に気づき、自分の心を伝えようと素直に感じたのだ



Linen yor akata ar ciel,hymme xest powel.
En titilia forlinden,grave sik yeeel.
それはとある別の世界、詩が力になる魔法の国
その離れた山里の、小さな村での物語


Was ki ra hymme waats hes clyncye murfanare?
貴方は大切な人に、伝えたいことを伝えていますか?

※解説
最後のこのブロックは、最初のブロックに相対する「物語の締め」を表現しています。童話で言えば「~幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」の部分ですね。
ここで伝えたいことは、1つ前の呪文のブロックで伝えてしまったので、敢えてクドクド言いません。先の例にも挙げたように、貴方自身の心の中の偽りがストレスとなり、時には爆発し、時には普段の相手への態度となってにじみ出て、相手を苦しめていませんかー?という事を伝えたかったのです。…で、貴方はどうでしょうか?
たまにはそんなことを、自分自身を見つめ直しながら考えてみるのもいいかもしれません。


長くなりましたが、EXEC_HARVESTASYA/.のヒュムノスには、このような想いが隠されていました。今回はEXEC_HARVESTASYA/.自体が物語の主体となる曲でしたので、相当凝った物語を作ってみました。この解説を読んで、更にEXEC_HARVESTASYA/.が楽しんでいただけるのであれば、私としましても嬉しい限りです。
まあ恐らく、今後またヒュムノスを創る機会があったとしても、ここまで複雑に入り交じったものは創らないと思いますが(笑)
…。
でも、評判良ければまたやってしまうかもしれません…。
それがモノ創り屋の性ですから。

では、またです!